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【2024/04/29 06:43 】 |
謀略
 「竜騎士」
 
 
それは地上最強の生物「ドラゴン」に認められし者。
 
その強さは数々の伝説となってきたが、本当の力を知る者は少ない。
 
 
竜騎士の本当の力とは「心の声」を聞くことができること。
 
それは神の力にも等しく、歴代の竜騎士達の中でも
 
その力を得た者はごくわずかであった。
 
 
----------------------------------------------------------------------
――夜の遺跡内
 
サクラは先立つ仲間を追って魔法陣へ進んでいた。
 
「すっかり遅れちゃったわね。アルマちゃん達どうしてるかなー」
 
 
そんな中アルルは不穏な空気を感じていた。
 
(この気配は?おかしい・・・)
 
 
 
「お待ちください。スズミヤ卿の姫君とお見受けします」
 
暗闇から声が響き渡った。
 
「誰ダ!」
 
アルルは叫ぶと周りを見渡し、いつの間にか囲まれていることに気付いた。
 
 
「お探ししましたぞ、姫君」
 
暗闇から歩を進めてきたのは、ガルバルディーン帝国の将校らしき男と――
 
(――な?!そ、そんな・・・)
 
 
男の後ろで、隻眼の武士がサクラを見つめていた。
 
「・・・ジュドウ・・・いえ、そんなこと」
 
 
「お久しぶりにございます、姫様」
 
ジュドウはサクラに深々と礼をした。
 
 
「この者は、先の戦役時にシルグムントの騎士団の裏切りに会い、危うく命を落とすところだったのです」
 
将校はサクラの目をジッと見つめながら囁くように言葉を続けた。
 
 
「ジュドウ・・・は死んだはず・・・」
 
「姫君はシルグムントの残党に騙されているのです」
 
将校の目が妖しく光る。
 
 
「そ・・・んな・・・」
 
目がトロンとしたきたサクラに、ジュドウが言った。
 
「この方の言う通りにござる。拙者はシルグムントの漆黒の騎士団に殺されかけ申した」
 
 
「帝国はジュドウの恩人・・・シルグムントは敵・・・」
 
将校に見つめられたサクラは、魅せられたようにジュドウのほうへ歩き始めた。
 
 
 
「サクラ!ドウシタ?ドコヘ行ク?」
 
アルルが大声を上げ、サクラの前に出ようとしたその時、背中に鋭い痛みが走った。
 
 
「グッ!ナ、ナンダ?」
 
振り向くと、背中に小さな針が刺さっている。
 
 
 
「お前には少し大人しくしておいてもらうぞ」
 
「ウゥ・・・サクラニ何ヲ・・・シタ」
 
アルルは徐々に意識が遠くなってくるのを感じた。
 
 
「チャーム(魅了魔術)だ。心に傷がある者ほど掛かり易い。ククク・・・」
 
「キ・・貴・・・様」
 
アルルはドサリと倒れこんだ。
 
 
 
「貴重なサンプルだ、大切に扱え!」
 
将校は周りの兵士達に言った。
 
 
「さぁ、ジュドウよ、姫君を我が拠点へお連れしろ。フハハハハー!」
 
「御意!」
 
 
ジュドウの後に続くサクラ、その瞳からは光が完全に消えていた。

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