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【2024/04/29 12:24 】 |
死闘 中編
魔物と化したジュドウにガーム・ベルは両腕を釣り下げられた。
 
目の前には目の光を失ったサクラと巨大な蒼竜が対峙していた。
 
 
 
将校は舌なめずりをしながら、ガームベルの髪を掴んだ。
 
「ククク、死ぬ前に面白いものを見せてやる。黒い雷光」
 
 
―― あの蒼竜は確か
 
ガーム・ベルは血で霞んだ目でアルルを見上げた。
 
 
「あのドラゴンはプロ・クーン博士が作り出したバイオノイド。マナにより憎悪の感情を増幅させている」
 
 
 
 
 
 
「お前がじぱんぐを戦禍に巻き込んだのね。裏切り者!」
 
サクラは冷ややかな目でアルルへ言い放った。
 
 
「貴様コソ、ヨクモ今マデ・・・ルルル」
 
アルルも牙をむき出してうなり声をあげた。
 
 
 
 
 
 
「じぱんぐの姫君とバイオノイドのバトルだ、ククク」
 
 
―― じぱんぐ、だと?
 
 
「竜騎士だがなんだか知らんがなw さぁどっちに賭ける?はーっはっはー!」
 
 
―― 竜騎士? そうか、あの2人が・・・
 
 
 
 
 
 
「古ノ盟約ニ従イ、我ガ仇敵ヲ塵ト化セ!リアライズ!!」
 
アルルは巨大な翼を広げ召還魔法を唱えた。
 
 
     シュゥゥゥ――――――・・・
 
 
一瞬にしてサクラの周りを20匹のバハムートが取り囲む。
 
 
 
 
 
 
「上出来だ。姫君を死なない程度に痛めつけてやれ、兵器殿w」
 
将校は満足そう言った。
 
 
―― やめろ、仲間同士で傷つけ合うんじゃない
 
必死に叫ぼうとしたが、深く傷ついたガーム・ベルには叶わなかった。
 
 
 
 
 
 
    「やめぬか!愚か者!」
 
 
 
突然の声に、皆ぎょっとした。
 
そこには、仁王立ちになったサクラがアルルを睨みつけていた。
 
 
「我が使い蒼竜よ、かの者への誓いを忘れたか」
 
低く、神々しい声でサクラは続けた。
 
 
 
 
 
 
―― こ、この声は?
 
ガーム・ベルは力なくサクラを見つめた。
 
 
 
 
 
 
強力な破魔の力に、少しずつバハムートの姿が薄れていく・・・
 
「何故そなたをサクラへ引き合わせたか、まだ分からぬか」
 
 
 
 
 
 
―― ウ、ウルディア・・・か・・・
 
ガーム・ベルは、そこに女神ウルディアの姿を確かに見届けた。
 
 
 
 
 
「血を求め穢れをまとうは人の理。この理を断ち切るには、人のみの力では叶わぬ」
 
アルルに対峙したサクラは続けた。
 
 
「神の力を与えられし者、そなたは人の世で何を求め、求められる?」
 
 
「サ、サクラ・・・」
 
アルルの脳裏にサクラとの出会いの日が蘇る。
 
(あの時、私はサクラに救われた。なのに自分は・・・)
 
 
 
 
 
 
         ―― 我らをお救いくだされ!
 
 
我に返ったアルルは、声がしたほうへ振り返った。
 
 
         ―― このような姿で生きながらえるは屈辱・・・どうか
 
 
魔物と化したジュドウの心の声がアルルの耳に響き渡った!
 
 
         ―― どうか姫様を・・・姫様を祖国へ・・・じぱんぐへ!
 
 
 
 
 
 
「ゆくぞ、我が使い蒼竜よ!人の穢れを祓う時ぞ!」
 
サクラは神斧を手に取ると、アルルの下へ駆け寄り背に乗った!
 
 
はじかれたように帝国の兵士達がアルルの周りを取り囲む!
 
 
 
「下がれ!下郎!!」
 
サクラは神斧で兵士達をなぎ伏せ、ジュドウのほうへ向かった。
 
 
 
 
 
 
―― プギャァーーーーーッ!!
 
魔物となったジュドウがサクラへ飛び掛る!
 
 
「我と共に救いの地へ ――」
 
サクラの神斧が閃光となりジュドウの体を横切る!そしてジュドウは光に包まれ灰と化した。
 

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【2011/05/18 11:20 】 | SS
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