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【2024/04/29 14:59 】 |
星空
 ――満天の星空の下、金髪の少女はひとり空を眺めていた。
 
「パドメ」
「アルルさん」
竜騎士の鞍を身に着けた蒼竜が、少女のそばに寄り添った。
 
「妖魔ドモガ、攻メ込ミ始メタヨウダナ」
「・・・」
パドメと呼ばれた少女は、悲しそうに微笑んだ。
「明日には、アルカード王子様の騎馬隊が来てくれるでしょう」
 
「ナァ、パドメ」
アルルは気になっていたことを聞いてみた。
「女神ノ巫女ノアンタガ、何故竜騎士ナンカニナッタンダ?」
 
パドメは竜騎士の指輪を眺めながら微笑んだ。
「女神ウルディアの御心だから・・・私には巫女としてこの地を守る義務があります」
 
 
いかに戦時下といえ――
 いかにパドメの魔力が欲しいからといえ――
 このような無垢な少女をも戦火に巻き込むとは――
 
人間とは・・・愚かな・・・
 
 
アルルはゆっくりと体を回すと、人間の青年に姿を変えた。
「オ嬢様、私ト踊ッテイタダケマセンカ?」
「まぁ」
パドメは驚いてアルルを眺めた。
 
「くすくす・・貴方って器用ね」
「サァ、オ嬢様、手ヲ・・・」
「わ、きゃ・・」
 
二人の姿を満天の星たちが優しく照らしだした。
 
 
――せめてこのひと時が
 
アルルは思った。
 
――せめてこのひと時が、少しでもゆっくりと流れてゆきますように・・・

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