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【2024/04/29 06:12 】 |
最終兵器
   ――よし・・・できた、できたぞ!
 
無菌室で研究者達が歓声をあげた。
 
  ――これが・・・地上最強の生物か・・・
 
      軍服姿の将校がつぶやいた。
         
  ――はい、既に滅亡した生物ですが・・・最後の死体のDNAよりレプリカを
 
  ――ふふ・・・これがマナの力か・・・これを使えば世界は我が帝国の物だ!!ふははは

――このマスターサンプルを上手くマインドコントロールし、量産すれば最終兵器となりましょう
 
  ――くくく、博士にはこれからも、もっともっと頑張ってもらわなければならんな。はははは!
 
 
 
    培養液の中で「兵器」が人間達を睨みつけていた――


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
船は偽島の港に接岸され、次々と荷物が下ろされていました。
 
 
「マナ、という物質は既知であるかな?」
 
猫博士は後ろ手に歩きながらサクラへ尋ねました。
 
「ええ、知ってます。不思議な魔力を持った物質ですね」
 
「我輩はマナの研究をしてきたからして」
 
 
猫博士はそっと空を見上げました。
 
真っ青な空に白い渡り鳥がゆっくりと風にあおられています。
 
 
「しかし、マナを使うことを許されるのは神だけであるからして・・・」
 
「猫博士?」
 
サクラは猫博士の悲しそうな瞳に、思わず立ち止まりました。
 
 
「ね、猫ではないのであるからして。我輩にはプロ・クーンという名があるからして」
 
プロ・クーンは慌ててサクラから目をそらし、そそくさと船のタラップを降りてゆきました。
 
 
「そうそう!」
 
プロ・クーンはアルルの方へ振り向いて言いました。
 
「確か貴公は変身能力があるといってたが」
 
「ヘ?ア、アア、見タコトガアル生物ナラ・・・」
 
「その毛を一本もらっておくからして」
 
プロ・クーンは足元に落ちていたアルルの毛を試験管に大切にしまいました。
 
 
「ナ、ナンダ気持チ悪イヤツダナ」
 
「サクラ、アルル、マリア、世話になったからして。では、また相見える時まで」
 
そう言うとプロ・クーンは港に降り立ち、走り出しました。
 
 
 
「なんや、けったいな奴やったなー」
 
マリアがプロ・クーンの後ろ姿を見送りました。
 
 
「ふふふ・・・まぁ偽島に戻るきっかけになってよかったわ」
 
サクラは嬉しそうに微笑みました。
 
 
「アア、明日カラマタ宝玉探シダ、サクラ」
 
「頑張るでー♪」
 
サクラ達は一路、レギオンズソウルへ向かいました。
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ガーム・ベル=イブリスは黒十字の剣を見つめた。
 
(刻印が・・・赤く・・・)
 
 
剣を収め、ローブの襟をたてると魔方陣へ向かってゆるやかに歩を進めていく。
 
 
その瞳に哀しげな光をたたえながら・・・

 

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