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レギオンズソウルへ続く辺境の道をガームベル達は走り続けた。
道先に一人の武者が倒れているのが目に止まった。
「あれは?」
「異国の衣装・・・あれは東方国のものであるからして」
「いきましょう!」
ガームベルは武者へ近づいていった。
「おい!大丈夫か?」
「き、貴公は?」
「私はガーム・ベル=イブリス。そなた怪我をしているのか?」
力なく上半身を起こしながら東方国の武者はガーム・ベルの方を向いた。
「拙者、じぱんぐの使者として参ったジュドウと申す。姫君を迎えに参ったのだが何者かに・・・くっ」
「しっかりしろ!」
ガーム・ベルはジュドウの手を取った。
「――温かい手をしておられる。生きた人間の体温を感じまする」
「――?!」
次の瞬間ジュドウの体から無数の触手が突き出し、ガーム・ベルの魔剣を奪った。
「ガ、ガーム・ベル!」
プロ・クーンは近寄ろうとしたが、いつの間にか兵士に取り囲まれているのに気付いた。
「はっはっは!博士、お久しぶりですな!」
「き、貴様!」
「黒い雷光!いくら光速剣の達人と言えどもコレがなければどうしようもあるまい、ククク」
将校はガーム・ベルの魔剣を弄びながら嘲笑した。
―― プグシャーーッ!!
魔物と化したジュドウにガーム・ベルとプロ・クーンは叩きのめされる。
「カハッ」
プロ・クーンは吐血し気を失った。
「ぐ・・」
肋骨が折れる音を感じながらガーム・ベルは将校を見上げた。
「・・・き、貴様らの狙いは・・・なんだ?」
「ククク、シルグムントを手に入れた今、次は東方諸国よ」
「まだ民を・・・苦しめないと気が・・・済まぬの・・・か」
「民?民だとぉ?ギャハハハハーw!」
将校は嘲るようにガーム・ベルを見下ろした。
「てめえらなんか民じゃねぇ、家畜なんだよーwこいつもなぁー!」
将校は爆笑しながら魔物となったジュドウを指差した。
「ウ・・ルディ・・・ア・・・の護も・・りあ・・・」
ガーム・ベルは血だまりの中で気を失った。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「姫君、蒼竜はシルグムントが作りあげた魔物です」
「アルルは・・・魔物・・・敵・・・」
麻薬を投与されたサクラは無表情で答えた。
「洗脳は上手くいっているようだな」
「はい、後は蒼竜ですが・・」
「ふん、人間に感化されたバイオノイドを落とすなど容易い」
「では、そろそろ姫と会わせますか?」
「いいだろう。ショックで自殺するかも知れないけどなw」
科学者達は笑いながら実験室を出ていった。
後には、人形のように魂の抜けたサクラが独りたたずんでいた。 PR |
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