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【2024/04/29 06:39 】 |
覚醒 前編
(遺跡の中だというのに星が見える・・・)
 
アルルはそっと空を見上げました。
 
 
戦いに明け暮れる毎日・・・
今日を振り返る間もなく明日が始まる日々・・・
 
 
(サクラ・・・友達と遊んだり恋愛もしたいだろうに・・・)
 
隣で泥のように眠るサクラを見ながら想いに耽りました。
 
 
(人間は何故に戦うのだろう?こんな無垢な少女を駆り立て・・・)


 
 
その時アルルはデジャブを感じ息を飲みました
 
 
       この感覚?
 
 
             どこかで・・・
 
 
                   ドクン! 
 
 
 
             ―― くすくす・・貴方って器用ね 
 
 金髪の神々しい少女がアルルに優しく微笑みかける
 
 
          パ・・・ドメ・・?
 
 
アルルは、忘れかけていた黒いものがこみ上げてくるのを感じました。


「ルルル・・・」
「ん・・・どうしたのアル・・・!?」
 
息をのむサクラ。
そこには、巨大なブルードラゴンが唸り声を上げていました。


「ルルル・・パドメ・・・パドメハ・・・殺サ・・・レタ」 

「ア、アルル・・・な・・の?」
「ルルル・・・クソ・・・クッソォォォ!!」

巨大なブルードラゴンは翼を広げました。


「ま、待ってアルル」
「ドケェー!!」

凄まじい魔力に弾き飛ばされるサクラ。


「ブッ殺シテヤルー!」

ブルードラゴンは飛び立ってゆきました。


(な、なんて魔力なの。これが・・これが竜騎士の力?!)

サクラは体を引きずりながらブルードラゴンの後姿に目をやりました。


「ご、ご主人さまぁ・・・なんなん、今のバケモノ?」 

荷物の隅で震えていたマリアがサクラに尋ねました。


「アルルよ。バケモノじゃないわ」
「えー、アルルゥ?なんであんな風になってしもたん?」
 
「わからない。それより行くわよ、マリア」
 「え、どこへ?」 



「メリュちゃんの所よ」



 メリュジーヌは寝付けずにいました。 

(アルルさん・・・)


愛しい姉達との再開、ベルフェゴール公爵家の再興・・・ 
めまぐるしく日々が移ろう中、唯一自分を振り返ることができる時・・・

(こんな所で出会うなんて・・・)

メリュジーヌはシルグムント戦役のことを思い出しました。

― 暗黒の炎が燃えさかる村
― 凄まじい魔力で立ち向かってくるアルル 


(そうだった・・・私はアルルさんに命を救われたのですわ)

― 妖魔陣営から放たれた呪いの矢。メリュジーヌを庇い峡谷へ消えていった蒼竜


(私を庇って、アルルさんは魔力だけでなく記憶まで・・・) 

まどろみの中メリュジーヌの目から涙がこぼれました。


― 今すぐにでもアルルの記憶を戻してあげたい 


その思いと共に、サクラとアルルの笑顔が脳裏をよぎりました。 

(私が竜騎士の村を滅ぼした・・・きっと、サクラちゃんもアルルさんも私を恨みますわね・・・) 

2人の友情を失いたくない。狂おしい自責の念がメリュジーヌを襲う。


(パパ・・・ )

メリュジーヌは涙を流しベノムを想いました。

(メリュはどうすればよいのですか・・・ ) 

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